ひよこ組 保育の広場

平成28年2月

「Cくんが泣いてるよ!」の声に慌てて部屋に戻ると、

C「Dくんが洋服でお顔たたいた〜」

と泣きながら教えてくれました。側には鼻息荒く「うん! Cくんのことたたいたよ!」と話してくれるDくんの姿。「どしたどした?」と話を聞いていくと…。

はじめEくんとFくんがケンカになって、EくんがFくんの顔をたたいてしまった

Cくん、Fくんを心配して肩に手を置く

Dくん、泣きそうなFくんと肩に手を置くCくんを見て、CくんがFくんを泣かせている! と思う

大すきなFくんを守るべくCくんをやっつけようとした…

ということらしく…
興奮がおさまらないDくん

「DはFくんが大すきなんだ!! Cくんはキライ!!」

と言うと、周りで見ていた女の子たちが

「でもCくんもひよこの仲間だよ」

と続きます。

D「でもキライなんだ!! Cくんなんて嫌なんだ!!」
女の子「私たちはCくん好きだけど?」

そのやり取りをまだ涙の残る目でじっと見つめていたCくん、ふと

C「あのね、CはDのこと、大すきだよ!」

そう言って、ニッコリほほえんだのです。

4月からひよこ組ではたくさんのケンカがありました。そしていつの間にか「キライ」という一言がケンカを終わらせる最終打のようになり、「○○なんてキライ! もう遊ばない!」は今まで何十回と聞いてきたのでした。
まだまだひよこちゃん。うまく言葉で説明できないたくさんの気持ちが隠れた『キライ』の3文字。その3文字を聞くたびに

もも「キライキライも好きの内〜」「ケンカするほど仲が良い〜」「♪いじめっ子してもケンカをしてもみんなみんな友達なのさ〜」

と、いつか届け〜と伝えてきました。もちろん、相手がすごく悲しそうだったり、様子が違っていたり、一方的すぎる時はひよこちゃんと言えど『相手が傷付いていること、人を傷付けると自分も傷付くということ』をはっきりと伝えつつ、でも、なるべく大きく包むように、じっくりじんわりひよこちゃんの心に何かが届くようにと願ってゆっくりと見守ってきていました。

Cくんは最初に「キライ」を使い出した内の1人。そのCくんが、誤解からとは言うもの洋服で顔をたたかれ、泣かされ、「キライ」と言われた相手(Dくん)に向かって伝えた「大すき」という言葉。その時のCくんは、なんでしょう、晴れやかで凛としていて、そして何より、まっすぐでした。Cくんの「大すき」を聞いたあともDくんは「DはCくんキライ」と言っていましたが、その声はとても小さな、小さな声でした。

そしてお弁当、CくんとDくんは隣同士で食べていたのでした。

今回のケンカも色々な想いがありました。CくんにはCくんの、DくんにはDくんの、Eくん、Fくんもそれぞれの。そしてこのケンカはこの日だけでは終わらず、ずっとずっとその想いはまた明日のCくん、Dくん、Eくん、Fくんへとつながっていくのでしょう。ケンカのたび「キライ」とよく言っていたCくんが今回Dくんへ向けた「大すき」も、今までの毎日の1つひとつがつながってそうなったのではないかと思います。
…だからね、Cくん。きっとCくんの「大すき」はDくんにつながっていくよ。きっときっと届くよ。きっと。

もも

 Copyright(C) Kororin.All right reserved.