はと組 保育の広場

平成25年6月

〈事件頻発!!〉

「♪ピンポコピンポン
はと組さん事件が起きました。はとの部屋へ集まって下さい」

という私の放送も、もう日常的なはと生活ですが(笑)、事件=学びの場、ピンチ=チャンスなのです。はと時代、と言わず、子ども時代にどれだけ失敗したか、そしてどれだけ失敗を考えることができたかは、その後の人生に大きな影響を与えると言っても良いと思います。まさに今、はとさんたちはたくさん失敗し、考え、感じていく日々なのです。

[カニ死んじゃってもいい事件]

カニの水そうができた翌日のこと。カニ用にお家から干しエビとごはんつぶを持って来てくれたAくん。干しエビを大量に水そうへ入れてしまったのです。それに気付いたBくんが「あんまり入れると死んじゃうよ」と言いましたが、Aくん「カニなんて死んじゃってもいいし〜」と一言。

さあ、放送です!!

Bくん「Aくんがさぁ〜、カニさん死んじゃってもいいって言うんだよ!! みんなはどう思う!!?」
とすごい剣幕、怒っています。
「かわいそう!!」
「カニが死んでいいってことは、Aくんもみんなも死んでいいってこと? Aくん?」
「そんなこと言ったら悲しいからだめだよ」
皆も続きます。

皆のやり取りをはとの奥の部屋で1人聞いていたAくん。顔は真っ青です。
B「Aに言いに行く!!」
とAくんの所まで行き、
B「A!!! どういうことなんだよ!! カニもみんなも死んでいいのか!!!!??」
とBくん怒ります。真剣です。それを聞いて床につっぷして泣いてしまったAくん。でもBくんも止まりません。泣き声はだんだん大きくなります。

Bくんのあまりの剣幕に、カッパ園長も私もAくんに助け舟を出そうとしますが、Bくん止まりません。ふと聞いてみました。
もも「Bくん、Bくん何でそんなに怒ってるの? Aくんのこと嫌いだから? 許せないから?」
するとBくん真剣な表情で「Aが大事だからだよ!! Aにはそんなこと言ってほしくないんだ!!!」と。

そうなんでした。AくんとBくん、よく一緒に遊んでいるのです。Bくんが最近自転車に乗れるようになった時、応援してくれて喜んでくれたのはAくんでした。生き物好きで意気投合したのでした。だからこそ、だからこそBくんこんなにも怒っていたのです。

その後まだ泣いているAくんの横に「これ、作ったやつAくんにあげる」と何人もの子が折り紙や厚紙で何か作っては並べていってくれました。そのプレゼントがいくつか並んだ時、Aくん顔をあげ、にっこりと笑って起き上がり、プレゼントを1つずつ大切そうに胸に抱えました。そして大事に大事にロッカーにしまい、遊び始めました。Bくん、Aくんの所にはいかないのですが、少し離れた所から見つめていました。

……Aくんはきっとそんなつもりなく、半分ふざけた調子で言った一言だったんだと思います。でも、大事なんだから言ってほしくないと真剣に怒ったBくん。その気持ちが痛いほど伝わったAくんへのみんなの折り紙のプレゼント。AくんとBくんのつながり。Aくんとみんなのつながり。子どもの世界は大人が思うより、ずっと厳しく、ずっとあたたかい。まっすぐに相手を思っている。そしてまっすぐに伝える。子どもってすごいです。

もも

 Copyright(C) Kororin.All right reserved.